第5回 人生の踊り場から見える景色 未来は「融合」の先にある。ヌプハウスが教えてくれた建築の原点
- 建築設計 キタザキ アーキテクツ

- 7月19日
- 読了時間: 3分
未来は「融合」の先に、、、
今回は、踊り場から未来を見上げてみたけど、未来は想像することしかできないし、予測はできてもその通りになる保証はない。
それでも今見えている流れから、少し先の景色を眺めてみたいな
独立当初より住宅でもクリニックでも、全般的に木造建築で「性能」を語る機会が確実に増えてきたように感じるし、目にするようになった

耐震性能、省エネ性能、断熱性能SNSやブログでも、それらの重要性を伝える発信が目立つようになったし、性能を語ることの重要性は独立当初より高まった。
一方で、「性能だけでは建築は豊かにならないし、デザインこそ重要だ」という声もあるなか、気づけば「デザインか性能か」という二項対立で語られる場面も少なくない。

けれど、僕はそうは思わないし、大多数の方々は『デザインも性能も』だと思うけど、やはりデザインは人の心を動かし、性能は暮らしを支える重要な要素ですよね。
どちらが大切なのではなく、どちらも欠かせない。
だからこれからの建築は、「デザイン」と「性能」を対立させるのではなく、一つの建築の中で自然に融合させていくことが、本当の価値になるのだと思う。
そんなことを考えていたコロナの時期に、以前このブログで紹介したクリハウスのさらに二棟隣に空き地に、おそらく信じてもらえないような偶然だけれど、またその場所に住宅を設計することになった。

その住宅が「ヌプハウス」である
「ヌプ」はアイヌ語で「原っぱ」
「オンネヌプ」は「大きな野原」を意味し、旧大野町の地名の由来ともいわれている。
その土地に立った瞬間、その風景から自然と「ヌプハウス」という名前が浮かんだ。
この住宅には、今の僕が目指す建築の原点ともいえる考え方が詰まってる
深いひさし
北海道の気候に応える高い断熱性能
許容応力度計算による耐震等級3
1階に設置した12畳用FFストーブ一台を基本とし、必要に応じて二階のエアコンを補助的に使うだけのシンプルな暖房設備計画
設備を増やすことではなく、建築そのものの性能を高めることで快適性を実現し、その分の予算を空間の豊かさや耐久性、そしてデザインへ振り向ける。
それがヌプハウスの思想

そして完成した後、この家は設計者の手を離れ、オーナーご家族の暮らしによって育てられている。
時折Instagramで拝見する室内の風景には、その家を楽しみ、大切に暮らしている様子が自然に表れている。

住まい手の時間が積み重なり、少しずつ魅力を深めながら、本当の建築へと成長していく姿を見るたびに、「この家を設計できて本当に良かった」と心から思う。
今、人生の踊り場から未来を見上げると、そこにはヌプハウスがある。
住宅だけではなくて、医療施設や店舗その先の建築は、僕がこれから目指す建築の基準は、この家から始まっている。




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