建築家の仕事は“見えない”ところに宿る|カタログ掲載までの舞台裏
- 建築設計 キタザキ アーキテクツ 
- 6月17日
- 読了時間: 2分

見えない性能と、見える美しさのあいだで
家づくりの話をするとき、「デザインが得意な建築家なんですね」と
言われることがあります。
もちろん、それは嬉しい言葉です。
でも実は――僕が最も力を注いでいるのは、「見えない部分」かもしれません。

■ 構造計算と省エネ計算
建物の安全性と快適性に、裏付けがないと自信が持てません。
全棟において許容応力度計算による構造設計を行い、耐震等級3を取得しています。
これは単なる「申請上の数字」ではなく、未来の地震に耐えるための備えそのもの。
同時に、省エネ計算による設計を通して**低炭素認定住宅(ZEH水準)**を実現し、環境と家計への配慮も欠かしません。
こうした土台があるからこそ、本当に住まい手のためになる設計が可能になると考えています。

■ タイルに宿る、風景の記憶
今回、ヴィラで設計したリビングの壁に、青いヘキサゴンタイルを使用しました。
タイル一枚一枚の色柄を職人が選び抜き、手で貼り分け、見る角度や光によってまるで“波のように”表情を変える、静かなアートをつくりあげました。
その配置はランダムではなく――
実は、窓から見える函館市内の地形を抽象的に表現したものです。
地元を愛し、土地の記憶を住空間に織り込む。
建築家として、職人と共に「目に見える風景」と「心に残る風景」の両方を描けた瞬間でした。

■ 技術と美意識が、ひとつのかたちになったとき
そしてこの取り組みが、**名古屋モザイク工業「2025–2026年版公式カタログ」**に掲載されることとなりました。
タイルのデザイン性だけでなく、背景にある空間構成や思想までを含めて評価いただけたことを、とても嬉しく思っています。
性能と美しさ
その両立は、簡単ではありません。
でも、両立するからこそ生まれる空間がある――
今回の掲載は、そんな私たちの姿勢が少しでも届いた証のように感じています。
家は、暮らしの器でありながら、地域や自然、職人、そして技術といった多くのものと響き合う存在
これからも、その響きを大切にしながら、設計という仕事に向き合っていきたいと思います。
ご感想やご質問などありましたら、ぜひコメントください。
家づくりを検討中の方も、遠慮なくご相談ください。







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