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性能は正しい。でも、それだけでは家は建たない

建築家が「性能」を語りすぎると、なぜ仕事が減るのか


断熱性能、気密性能、省エネ性能、構造性能!

UA値、Q値、BEI、許容応力度計算による『耐震等級3』!


家づくりにおいて、これらが重要であることは間違いありません。

特に雪国や寒冷地では、性能の良し悪しが暮らしの質をそのまま左右する


それなのに——

性能の話をすればするほど、なぜか仕事につながらない

そんな感覚を持ったことがある建築家は、きっと少なくないと思います。



正論なのに、なぜか届かない

「この家はUA値0.27です」

「C値は0.2なので、かなり高気密です」

「暖房負荷は一般的な住宅の半分以下になります」


どれも 事実ですし、嘘も誇張もありません


それでも打ち合わせの空気が、どこか止まる


もちろん!

わかって頂けるお客様もいらっしゃいますが

ごく少数、、、



性能がいいのは分かるんですが……

その一言のあと、会話が前に進まない。

この違和感は、性能が足りないからではありません。

むしろ逆で、性能を語りすぎていることが原因の場合が多いのです。


性能を語るほど、主語が「人」から離れていく


UA値やQ値は、家の性能を示すための指標

しかしそれは、暮らしそのものではありません。


多くの人が本当に知りたいのは、こんなこと


  • 冬の朝、布団から出るのがつらくないか

  • 窓のそばにいても寒くないか

  • 暖房費を気にせず過ごせるか

  • 冬でも光を感じられるか


ところが数値の話を始めた瞬間、会話の主語が変わります。


「あなたの暮らし」から 「この建物の性能」へ


性能を語れる建築家ほど、説明が早すぎる


建築家は、もうゴールを知っています。

  • 性能が足りない家がどうなるか

  • 数年後に後悔が生まれるポイント

  • 暖房計画を誤った家の将来


だから先回りして説明したくなる。


一方で、家づくりを始めたばかりの人は、 まだその世界に足を踏み入れたばかりです。

この理解のスピード差が、 「難しい」「よく分からない」「任せきれない」 という感情につながっていきます。


それでも、性能を語るのをやめられない理由


それでも建築家が性能の話をしてしまうのは、 売りたいからではありません。

後悔してほしくないからです。

性能は、建ててからでは取り戻せません。

断熱も、気密も、窓の選択も、 完成後に簡単にやり直せるものではない。


特に雪国では、 「知らなかった」では済まされない差が生まれます。

だから説明する。 だから伝えようとする。

それは、誠実さの裏返しでもあります。



性能は、主役ではない


じゃあ、性能の話はしない方がいいのか。

答えは、NO

順番が違うだけなのです。


先に話すべきなのは、数値ではありません。

  • 冬の朝、室温は何度くらいになるのか

  • 窓辺でコーヒーを飲めるか

  • 暖房を止めても、夜まで冷えにくいか

その体感を支える根拠として、 最後に性能の数値が出てくる。

性能は主役ではない。 暮らしを裏付ける証拠です。


性能を語りすぎる僕は、不器用なだけ


性能を語りすぎる僕は、 たぶん不器用なのかも


分かりやすく話せなくても、 将来の後悔だけは減らしたい。

だから今日も性能の話をしてしまう。

でも、選ばれるためには順番があります。

まずは、あなたの暮らしの話をする。

そのあとで、性能の話をする。


それでも僕は、今日も性能を語ります。


ただし、あなたの暮らしを想像したあとで。



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