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オリジナルではなく、“必然”をつくる場所と対話が生む建築 

建築に限らず、「完全なオリジナルデザイン」というものは、実はほとんど存在しないのかも、、、


どんな表現も、過去の積み重ねや時代の流れ、技術の延長線上にあるし、模倣ではないにしても、必ず何かしらの影響を受けている。



経験を重ねるほどに、「独自性」というものは、あるようでないものだと感じるようになりましたねー


それでも、建築には確かな唯一性がある。


ひとつは、「建てる場所」


建築は、必ず特定の敷地に建つ。地形、周囲の環境、光や風、眺望、そこに流れる空気


それらを受け止めたとき、その場所にしか成立しない条件が立ち上がる。


特に函館や北海道のように、寒さや雪、限られた日射といった厳しい自然条件を持つ地域では、その読み取りがそのまま住まいの質を左右する。


もうひとつは、「対話」


クライアントとの会話の積み重ね何を求めているのか、

どんな時間を過ごしたいのか、

何に心地よさを感じるのか、、


言葉になっているものだけでなく、言葉にならない感覚や価値観を丁寧にすくい上げていく。


同じ敷地であっても、クライアントが違えば建築はまったく別のものになるので、対話の深さによって、その建築の質もまた大きく変わる。


つまり、建築の独自性とは、形やスタイルの新しさではなく、

「場所の唯一性」と「対話の蓄積」


この掛け合わせの中に宿るものだと思う。



だから、「これがオリジナルだ」と力む必要はないし、特別な何かを生み出そうとするのではなく、目の前の土地と、人の思いに誠実に向き合うだけ、、、


そして現実的な予算や条件の中で、それを確かな形にしていくこと。


その積み重ねの先に、結果として、その場所、その人のためだけの建築が立ち上がる。


デザインとは、新しさを競う行為ではなく、すでにそこにある必然を、丁寧にすくい上げていく行為なのかもしれない。



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