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【函館の建築家が考える】将来に強い家づくり──構造体と間取りを分けて考える理由

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構造体から間取りを開放するという設計思想


── ロングライフな家づくりのために


住宅の設計において「間取り」は暮らしを形づくる重要な要素です。

しかしその一方で、構造体の制約によって間取りが縛られてしまうことは少なくありません。


僕は、構造体から間取りの制約を開放するという設計コンセプトを大切にしています。


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外壁で耐力壁を構成し、室内は開放的に


私の設計では、基本的に外周部で耐力壁を成立させる構造を採用します。

一方で、室内の耐力壁は最小限に、かつ効果的に配置


これにより、プランニングにおいて構造的な制約がほとんどなくなり、自由でのびやかな空間づくりが可能になります。

これが単なる間取りの工夫ではなく、「構造設計そのもの」の考え方から始まっていることがポイント


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なぜ「構造体と間取りを切り離す」のか?


この考え方は、今この瞬間だけの快適性を追い求めているわけではありません。

30年後、50年後の暮らしの変化にもしなやかに対応できるようにするための、いわば「未来への余白」を持った設計です。


たとえば、子どもの成長や独立、あるいは二世帯化、在宅ワーク環境の追加に所有者変更など、将来大きく間取りを変えたくなったとき、構造的に壊せない壁があると、自由なリノベーションができなくなってしまいます


長く、柔軟に住み続けられる家こそ、真のロングライフ住宅だと私は考えています。


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ロングライフデザインは、構造から始まる


建築というのは、空間のデザインでありながら、同時に構造のデザインでもあります。

構造体と空間を分けて考えることで、設計の自由度が高まり、将来にも対応しやすい家が実現する。


これは、住宅の性能やデザイン以前に、「暮らしの未来に寄り添うための準備」とも言えるのではないでしょうか。



まとめ


  • 構造体に縛られない自由な間取りを実現する

  • 外壁を中心に耐力壁を構成し、室内を開放する

  • 将来のリノベーションに柔軟に対応できるロングライフデザイン

  • 設計初期から「構造と間取りを分けて考える」視点が重要


こうした視点は、建築家として日々実践している設計思想の一つです。


これから家を建てる方、長く住み継げる家を考えている方に、少しでも参考になればイイネ

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