第2回 函館の建築家がリノベーションするなら、こんな業務フローで考える

STEP 03|3つのうち、何を優先する?
ここで初めて、施主との打ち合わせが重要になる
すべてを最高レベルにできれば、それが一番いい!
でも、当然ながら予算があります。
だから、
省エネ性能
耐震性能
デザイン
この3つのどこに、どれだけ予算を配分するのかを考えます。
例えば、
「とにかく暖かい家にしたい」
なら、
省エネ性能を優先
「古い家だから、まず安心して暮らしたい」
なら、
耐震性能を優先。
「親から受け継いだ家を、自分たちの暮らしに合わせたい」
なら、
デザインを大きく変える
もちろん、実際にはこの3つを完全に分けることはできません。
だからこそ、3つのバランスをどうするか?
それを一緒に考えます。

STEP 05|ここで初めて「建設費」を考える
ここまで来て、ようやく工事費を算定できます。
現況図がある
改修範囲が決まっている
仕様が決まっている
性能の目標が決まっている
デザインの方向性も決まっている
ここまで整理して、
「この住宅を、ここまで改修するなら、このくらいの費用が必要です」
という根拠のある金額を考えることができます。
だから、「40坪ならリノベーション費用は○○万円です」
という考え方には、少し違和感があります。
40坪でも、何をするかによって金額は大きく変わるからです。

STEP 06|「残すもの」と「変えるもの」を決める
リノベーションでは、全部を新しくする必要はありません
むしろ、残すものを決めることも設計
構造を残す
素材を残す
記憶を残す
庭を残す
一方で、
寒さは変える
使いにくい動線は変える
暗さは変える
耐震性能は必要な範囲で変える
そうやって、残すものと変えるものを整理していく

STEP 07|「古い家」ではなく「新しい暮らし」をつくる
最終的に目指すのは、
「築30年の家をきれいにすること」でも、
「築40年の家を新築っぽくすること」でもありません。
その家に住む人にとって、
今、本当に必要な暮らしをつくること
だと思っています。
新築には、新築の良さがありますし、すべてをゼロから計画できます。
一方、リノベーションには、
すでにそこにある時間や場所を引き継ぎながら、新しい価値をつくる
という面白さがあります。
だから私は、リノベーションを
「古い家を直す仕事」ではなく、「今ある住宅を読み解き、残すものと変えるものを決め、新しい暮らしへ再編集する仕事」
だと考えています。
そして、その最初の仕事は、
「いくらです」と答えることではありません。
その家を調べ、
省エネ性能
耐震性能
デザイン
この3つを整理し、
施主と一緒に「何を優先するのか」を決めること。
そこから、本当のリノベーションが始まります。
設計図面を制作する前にこんなSTEPで整理してみました。





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