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第1回 函館の建築家がリノベーションするなら、こんな業務フローで考える

「この中古住宅をリノベーションしたら、いくらかかりますか?」


リノベーションの相談で、よく聞かれる質問



でも、築30年、築40年の住宅を見て、「40坪だから、だいたい○○万円です」と答えるのは、実はとても難しい。


なぜなら、リノベーションは新築のように、最初からすべてが分かっているわけではないからです。

壁の中はどうなっているのか?

基礎はどうなっているのか?

断熱材は入っているのか?

過去に増改築されていないか?


そして何より、

その家を、どこまで良くするのか??


ここが決まらなければ、本当の建設費は算定できません。

だから私は、リノベーションをこんな流れで考えています。


STEP 01|まず「今の家」を知る


現況調査


まずは、今ある住宅を調べます


  • 建築年

  • 既存図面

  • 増改築の履歴

  • 建物の寸法

  • 基礎

  • 柱・梁

  • 屋根・外壁

  • 断熱

  • 暖房・給排水・電気設備


図面がなければ、実測して現況図を作ります。

リノベーションは、今ある建物を知ることから始まります。


STEP 02|住宅を「3つの視点」で見る



ここからが、建築家として考えるところです。

私はリノベーションを、


① 省エネ性能

② 耐震性能

③ デザイン


この3つに分けて考えます



① 省エネ性能


「冬、寒くない家にしたい」

北海道では、これはデザイン以前の重要なテーマ


窓を交換する

断熱材を入れ直す

気密を改善する

暖房設備を見直す

必要であれば、外壁や屋根まで改修する


ただし、既存住宅では新築のように自由に断熱構成をつくれるとは限りません。

だから、

「どこまで性能を上げるのか」

を考えます。



② 耐震性能



次に耐震


築30年、築40年の住宅では、現在の住宅とは設計思想や基準が異なる部分があります。


そこで、

耐震診断 → 必要な補強

を考えます。


耐力壁を増やす

接合部を補強する

柱や梁を補強する

屋根を軽くする

など、できることはあります

ただし、ここで重要なのが、


地盤と基礎



現在の新築住宅では、地盤調査を行い、その地盤条件に応じて基礎や地盤改良などを検討します。


一方、既存住宅では、すでに建物が建っていますので、地盤や基礎を新築と同じようにゼロから設計し直すことは簡単ではありません。


つまり、

耐震性能は上げられる

でも、既存住宅だからこその限界もある


ここを最初に理解しておく必要があります。



③ デザイン



そして、最後がデザイン

私はここがリノベーションの一番面白いところだと思っています

古いから全部壊す

古いから全部新しくする

ではありません


例えば、

古い柱を残す

梁を見せる

既存の建具を活かす

不要な部屋をなくす

光の入り方を変える

庭との関係をつくり直す

40坪の住宅を、今の暮らしに必要な30坪の空間として再編集する

そういうことができます


古い住宅を新しく見せるのではなく、古い住宅だからこそできる新しい空間をつくる。

これがリノベーションの面白さだと思います。


つづく


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