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キャニオンエアロードで駆ける夏の農道──香りで感じる朝

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夜明けの薄明かりを裂くように、キャニオンエアロードのタイヤが農道を刻む。



どこからか漂う、一日の始まりの合図

農家の敷地から、淹れたてのコーヒーの薫りがひとすじ、まっすぐに空気を渡ってくる。



どこからか、ミントが涼やかな青さを香りに変えて揺れている。

ビニールハウスの中では、まだ青いトマトが静かに陽を浴び、夏の薫りを放つ


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その向こう、田んぼでは稲が少しずつ穂を垂れはじめ、

淡い緑が風に波打ちながら秋を予告している。


少し先の倉庫からは、長ネギの皮を剥く軽やかな音とともに青く瑞々しい香りが流れ出す。



薫りが重なり、ほどけ、朝はひとつの景色となって私の呼吸に溶けていった。

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