きっかけは「この図面、見てもわからない」から始まったBIM設計

設計図は、建て主にとって本当に「わかる図面」なのかな??
「この図面を見ても、よくわからないんです」
建築設計をしていると、建て主からそんな言葉を聞くことがありますよね
もちろん、設計図は建築をつくるための大切な情報なので住宅だと100枚くらいは図面制作しますが、その労力に反して見てもらえてないような気がしてました。
せっかく設計料頂いているのに成果物である設計図面を見てもらえないのは設計者として、商売としてどうなんだろう?
そんなきっかけ3Dモデリングが中心のBIMを使うことにした。

寸法があり、線があり、記号があり、断面があり、仕上げや構造の情報が入っている図面は、設計者にとって図面を見れば建物の姿を頭の中で立体的にイメージできます。
でも、建て主にとってはどうでしょう?
平面図を見ても、そこにどんな空間ができるのか?断面図を見ても、天井の高さや窓から見える景色がどうなるのか?
なかなか頭の中だけで立体化するのは難しいものです。
だから僕は、設計図の表現を変えてみようと思いました。

2Dの図面と、3Dのモデルを一緒にする
現在は設計の初期段階からBIMで建物を3Dモデリングしています。
ただ、3Dパースを別に作って「完成イメージはこちらです」と見せるという方法ではありません。
平面図や断面図、立面図といった2Dの設計図をつくりながら、その図面と同じ建物の3Dモデルを同時に育てていく。

そうすると、「この部屋はこういう感じになるんですね」と、図面の情報が少しずつ建て主の頭の中で立体になっていきます。
設計図を「読むもの」から、「見て理解できるもの」に近づけていくのが、僕がBIMを使って設計する理由のひとつです
建て主が図面に興味を持ってくれる
もうひとつ、意外と大きいのがこれです。
3D画像が一緒に載っていると、建て主が図面を見てくれるようになります。
「ここはどうなっていますか?」
「この窓からはどんな景色になりますか?」
「この梁は見えてくるんですね」
そんな会話が生まれる

現場でも3Dが役に立つ
そして、BIMの3Dモデルは設計段階だけで終わりません。
現場で説明するときにも役立ちます。
例えば、複雑な屋根の納まりや梁の位置、窓まわり、下地の構成など
言葉だけで説明するより、「ここです」と3Dモデルを見せたほうが早いことがあります。
特に木造建築では、構造材や下地、断熱材、仕上げなど、いくつもの要素が重なって建物ができています。
2D図面では、それぞれの図面を行き来しながら理解する必要があります。
3Dなら、建物を回して見ることができる。
必要な部分だけを表示して確認することもできる。
設計者にとって便利なのはもちろんですが、現場で施工する人にとっても、説明の仕方によっては非常にわかりやすい道具になります。

BIMは「きれいな3Dパースをつくるため」だけではない
BIMというと、どうしてもCGやパースのイメージが先に出てきます。
でも、僕がBIMを使っている理由は、きれいなCGをつくりたいからではありません。
最初に3Dモデルをつくり、そのモデルから図面をつくる。
構造を検討し、省エネ性能を確認し、必要な情報をモデルに持たせる。
そして、その情報を設計図や集計表にもつなげていくつまり、3Dモデルを「絵」ではなく、建物そのものの情報として扱っています。

そのうえで、建て主にはできるだけわかりやすい形にして見てもらう
設計者には正確な情報として
現場には施工を確認するための情報として
建て主には、自分の家をイメージするための情報として!
同じ建物の情報を、それぞれに必要な形で見せられる
それが、僕がBIMで住宅を設計する面白さだと思っています。
函館・道南から建築設計を続けてきて、これまで当たり前だと思っていた「設計図」というものも、まだ変えられるのではないかと思うようになりました。
図面は、設計者だけがわかればいいものではない。そこから始めてみると、BIMの使い方も少し違って見えてきます。
「見てもわからない」と言われていた設計図を、「これならわかる」と言ってもらえる図面へ
そんな設計図を、これからもつくっていきたいな




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