【連載:建築家が答える家づくりQ&A #07】
- 建築設計 キタザキ アーキテクツ 
- 6月3日
- 読了時間: 2分

設計にはどれくらいの時間が必要? “いい設計”は対話から生まれる
「家を建てたいけれど、設計ってどのくらい時間がかかるの?」「打ち合わせが何回もあるって聞いて、不安…」そんな声に、今回はお答えします。
■ 建築家の答え:平均で6~12ヶ月。でもそれには“理由”があります
私たちキタザキアーキテクツでは、設計期間を平均6~12ヶ月ほどと見ています(初回ヒアリングから実施設計完了まで)
「長い」と思われるかもしれませんが、私たちが大切にしているのは、住まい手との対話と設計の精度。
いい家は、図面の中ではなく、会話の中から生まれるものだからです。
■ 設計のステップと目安期間
1. ヒアリング・敷地調査(1〜2週間)
- ご希望・ライフスタイル・予算・土地の条件を丁寧に整理 
2. 基本設計(2〜4ヶ月)
- プラン提案・修正・ゾーニング・方向性の確認 
- 繰り返しの対話で「暮らしのカタチ」をつくっていく段階 
3. 実施設計(2〜4ヶ月)
- 設備や構造、仕様の細部を決定し、工事が可能なレベルまで図面を描き込み 
- 性能計算(断熱・気密・日射・構造計算など)もこの時点で実施 
4. 見積・確認申請(2〜4ヶ月)
- 実施設計完了後、施工会社へ見積依頼 
- その後、役所や審査機関に確認申請書類を提出 
■ 対話を重ねることで「住まいの精度」が上がる
一見回り道に見えるようでも、ヒアリングと対話にしっかり時間をかけることが、結果として“無駄のない設計”につながります。
設計を詰めることで、工事中の変更リスクや追加コストも減りますし、引き渡し後の「こうすればよかった…」も少なくなります。
■ 時間をかける理由=「暮らしをデザインする」から
家づくりは、図面や構造を決めることではなく、その人らしい「時間の流れ」や「居場所」をデザインすることです。
私たちは「急がず、諦めず、掘り下げる設計」を大切にしています。
その過程をともに歩んでいただくために、設計期間もまた、家づくりの一部だと考えています。
■ 最後に|設計は「プロセスそのものが楽しい時間」
設計の打ち合わせは、暮らしを言葉にしていく作業でもあります。
「家族ってどう暮らしたい?」「休日はどんなふうに過ごしたい?」そうした会話の積み重ねが、設計を豊かにしてくれます。







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