AIと検討・計算した、冬の函館で500kWhの暖房
- 建築設計 キタザキ アーキテクツ
- 5月8日
- 読了時間: 3分
「厳冬期函館の一月をエアコン暖房電気使用量が500kWhしか使っていない家」の冬の秘密
函館市の日射取得データとパッシブデザインを活用した、
南面トリプルガラスの効果を含めた計算を通じて、AIと対話しながら
未来の建築設計を考える
以下内容は本気の家づくり、店舗でも医療施設でも本気の省エネに取り組みたい方の
参考になると幸いです。
可能なら設計依頼お願い致します😊
― 高性能住宅と日射取得のチカラ ―
『静光居』の建設地、北海道・函館は冬が厳しい地域1月は外気温が
氷点下8℃まで下がる日もあります。
そんな中、電気使用量は、1月でもたったの500kWh
「え?本当に暖かいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
けれど、これはしっかりと根拠のある性能と設計によって実現された数字です。
🔧 設計のベース性能
延床面積:37坪(122.3㎡)
Q値:0.97(熱損失係数)
UA値:0.27(断熱等級6)
C値:0.15(超高気密)
BEI:0.69(ZEH+ 基準達成)
南面窓:12㎡(日射取得型トリプルガラス η=0.6)
☀️ 日射取得でどれだけ暖かくなるの?
1月、函館の南面垂直日射量は1日あたり約2.5kWh/m²。
それが12㎡の窓から入ってくると、
12㎡×2.5×0.6=18.0kWh/日12㎡ × 2.5 × 0.6 = 18.0kWh/日12㎡×2.5×0.6=18.0kWh/日
つまり、晴天だと1日あたり18kWhぶんの「お日さまの暖房」が得られるのです。
🌙 夜の冷え込みと必要な暖房エネルギー
夜間14時間、室温22℃を保つには外気温-8℃として30℃の温度差があります。
Q値=0.97の家では、夜間の熱損失はこうなります
:122.3㎡×0.97×30×14÷1000≒49.8kWh/日122.3㎡ × 0.97 × 30 × 14 ÷ 1000 ≒ 49.8kWh/日122.3㎡×0.97×30×14÷1000≒49.8kWh/日
つまり夜に失われる熱が約50kWh/日。
そこから日射で得た18kWhを差し引くと、
49.8−18.0=31.8kWh/日‾49.8 - 18.0 = \underline{31.8kWh/日}49.8−18.0=31.8kWh/日
これが、暖房で補うべき理論上の熱エネルギー量になります。
⚡ それに対して、実際の電気使用量は?
我が家の1月の電気使用量は500kWh/月。
暖房だけで計算しても本来は約986kWh必要なはずなのに、
実際は半分の電気しか使っていません。
上記はAIが調べて計算してくれた内容
実際の設計上数値は-8℃だと、一日12時間のエアコン稼働(3kwh使用)で計算すると、
約1080kwh 意外といい線ついてますね!
❓ なぜそんなに差があるのか?
この計算はまだ、
人の体温(家族4人の熱)
冷蔵庫や照明などの家電の発熱
給湯器などの放熱
日中の蓄熱や無暖房時間帯
といった「内部発熱」を一切含んでいません。
つまり、家そのものがしっかりと熱をため、逃がさず、
太陽熱をうまく使っているという証拠です。
🏡 結論:数値は“暮らしの質”を語る
数字だけ見ると小難しく感じるかもしれませんが、500kWhという数字の背後には、
住宅の性能と設計思想が確かに存在している。
高性能住宅とは、ただ断熱材を厚くした家ではありません。
自然の力を借りながら、余計なエネルギーを使わずに快適に過ごすための
「知恵と工夫」が詰まった家です。
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