もう『通過点』とは呼ばせない。玄関の概念を覆す『インドア・プラザ』のある暮らし
日本の住宅において、玄関は長らく「靴を脱ぎ、外の汚れを落とすための通過点(境界線)」に過ぎませんでした。
しかし、ライフスタイルはもっと自由で、アクティブであるべき
目指したのは、従来の「土間」という概念さえも飛び越えた『インドア・プラザ(屋内広場)』
ここは、家の中で最もアクティブなエネルギーが満ち、同時に最も深い豊かさに浸れる、住まいの「本当の主役」となる空間です。

1. 「プレイング・ガレージ型」土間:遊びと暮らしがシームレスに交差する場所
このインドア・プラザの核となるのが、スケール感を持たせた「プレイング・ガレージ」
単なる収納や作業場ではなく、家族の「遊びの基地」として機能します。
五感を刺激するメカニック・ステージ ロードバイクのメンテナンススタンドが鎮座し、隣にはスキーやスノーボードのワックス台、DIYのための頑丈な作業ベンチが常設されている。工具の金属的な美しさや、ワックスの香りが、日常に心地よい高揚感をもたらします。
全天候型の「半屋外公園」 凍えるような冬の日も、照りつける夏の猛暑日も関係ありません。
外気から守られたこの広大な土間では、子供たちが三輪車で駆け回り、冬にはゲレンデから持ち帰った雪で雪だるまのベースを作る。
外と中、趣味と育児の境界線が心地よく溶け合います。

2. 「身支度シアター」としての動線:日常のスタートを、最高のアクトに変える
従来の「狭い玄関で、せわしなく靴を履く」という憂鬱な時間を、私たちはダイナミックな「イベント」へと昇華
魅せるギア・パビリオン 広い土間に沿ってレイアウトされるのは、家族全員のアウトドアウェアやギアが整然と並ぶ、アパレルショップさながらのオープンクローゼットです。お気に入りのジャケット、ヘルメット、ブーツがスポットライトを浴びるようにディスプレイされ、空間そのものが住まう人のアイデンティティを雄弁に物語ります。

「出かけるバタバタ」さえも愛おしい時間に
例えば、冷え切った冬の早朝。これまでは慌ただしかったスキーへ出かける準備が、ここではまるで「舞台裏の楽屋」のような高揚感に包まれます。
それぞれが相棒(ギア)を手に取り、広々としたベンチでじっくりとブーツを履き、最高のコンディションで扉を開ける。
インドア・プラザにおいて、出かける準備は単なるルーティンではなく、これから始まる冒険への「プロローグ(序章)」となるのです。

3. 「ピアノ・ラウンジピット」:広場の中に佇む、音と静寂のシェルター
アクティブな広場の一角には、床を一段掘り下げた「ラウンジピット(サンクン・ラウンジ)」が静かに構えています。
ここには、空間の象徴としてピアノが据えられています。
土間とリビングを緩やかにつなぐ「おもり」のような空間
ガレージの賑やかさから一歩足を踏み入れると、視線が下がり、包み込まれるような安心感に満たされます。
床のレベル(高さ)を変えることで、壁を作らずに「静寂」をデザインする。
アクティブな気配を感じつつも、深く腰掛けて薪ストーブの炎を眺めたり、読書に没頭できるシェルターです。

家全体を包み込む、アコースティックな贅沢
ここで奏でられるピアノの音色は、コーヒーを片手に音に耳を傾ける。そんな贅沢な時間が日常になります。
「開かれたステージ」としての顔
時には友人や地域の人を招いて、ミニコンサートやサロンのように使うことも可能
靴を脱いでピットに座る人もいれば、土間側からベンチに腰掛けて聴く人もいる。
文字通り、人が自然と集まる「広場」としてのポテンシャルが、このピアノとピットによって完成します。
住まいの中心に「人生の解放区」を

効率や部屋数、従来の「間取り」の常識だけを求めた設計からは、決して生まれない贅沢がここにあります。
帰宅して最初に目に入るのが、自分の「好き」が詰まったメカニックステージであり、心震わせるピアノの佇まい。

出かける瞬間から戻る瞬間まで、人生の熱量に浸っていられる。
この『インドア・プラザ』は、住まいの中に「アクティブに生きる歓び」と「芸術を愛でる静けさ」を同居させる、新しい建築のスタンダードです。





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